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タイトルの通りヒロインであるアリサ・ミハイロヴナ・九条(通称アーリャさん)が、ロシア語で本音を漏らすというユニークな設定が魅力の一作です。ラブコメというジャンルに新鮮な切り口を加えた本作は、軽快なテンポ、キャラクター同士の心理戦、そして文化や言語のギャップを上手く絡めながら読者を楽しませてくれます。
感想としてまず感じるのは、「設定の勝利」とも言える面白さです。ロシア語を話すヒロイン、そして彼女の本音が周囲には理解されていないという前提が、ストーリーの随所で絶妙なギャグや胸キュンシーンを生み出しています。特に、主人公の久世政近が実はロシア語を理解できるという秘密を持っている点が、物語に継続的な緊張感と面白さをもたらしており、読者は彼と一緒にアーリャの“本音”にニヤニヤしながら物語を追うことになります。
アーリャさんのキャラクター造形も魅力的です。一見クールで完璧な美少女ながら、内心では主人公に対して強い好意を抱いており、それをロシア語という“隠れた言語”で漏らしてしまうギャップが非常に愛らしい。彼女のデレがわかるのは読者と主人公だけという構図が、特別感を演出しており、読者を強く物語に引き込む仕掛けとなっています。
文章は読みやすくテンポが良いので、ライトノベル初心者にもおすすめできます。また、ラブコメ要素だけでなく、学園での生徒会選挙や人間関係の駆け引きなども丁寧に描かれており、物語としての起伏や深みもあります。表面的な萌え要素だけでなく、登場人物たちが抱える葛藤や成長にも焦点が当てられており、しっかりと読ませてくれる点が好印象です。
おすすめ理由は、その「新鮮さ」と「安心感」のバランスです。ロシア語という設定は一見ニッチに思えますが、実際には言語ギャップという普遍的なテーマを上手く活かしたものであり、異文化理解や内面と外面のズレといった多くの人が共感できる要素を内包しています。そして何より、アーリャさんの可愛さ、政近のクールさと人間味、二人の間にある“気づいているけど気づいていないふり”という絶妙な距離感が、読者の心をつかんで離しません。
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恋愛ものが好きな人、言語や文化の違いに興味がある人、ラブコメにマンネリを感じている人に特におすすめです。笑えて、ときめいて、時にじんわり心にしみる——そんな読書体験があなたを待っています。